2025年・なにわ淀川花火大会は“秋開催”へ|今年のプログラム内容を徹底紹介

水面から立ち上がる赤・緑・橙・青・紫の花火が夜空を彩り、上空には黄金の大輪が覆いかぶさるように炸裂する、淀川花火大会の華やかなワンシーン。 出典:https://www.yodohanabi.com/

例年8月の開催が通例となっていた淀川花火大会。しかし2025年は、「10月18日(土)」に秋開催となります。

これは同じ大阪市内で開催される「大阪・関西万博2025」との日程重複を避けるための特別な措置であり、同時に淀川河川敷で進む船着き場などの整備工事も考慮されたものです。

だからこそ、この秋の淀川花火は、例年以上に「テーマ性」と「演出美」を深めた特別な内容に仕上がっています。本記事では、2025年大会の花火プログラムに焦点を当て、5つの演出シーンとその見どころを徹底的にご紹介します。


公式サイト提供の紹介動画(YouTube):

出典:公式サイト(https://www.yodohanabi.com/)

2025年プログラムは全5シーン構成
各シーンのテーマと見どころ


1.『新』
開幕にふさわしい、鮮烈な花火

磯谷煙火店の公式サイトトップページ。130年の伝統と革新を掲げ、夜空に花火が打ち上がるビジュアルが表示されている。 出典:磯谷煙火店公式サイト https://isogaihanabi.com/
  • 煙火師:磯谷煙火店(愛知県岡崎市)
    1887年(明治20年)創業。日本有数の老舗であり、色彩と構成力に特化した“芸術花火”の第一人者。全国花火競技大会(大曲)で内閣総理大臣賞を2度、経済産業大臣賞なども多数受賞。
    音楽と完全同期させた「メロディー花火」の先駆者として知られ、近年は「ドラマチック花火」や「光の絵巻」といった物語性の強い演出が高く評価されている。代表演出に「ISOGAI花火劇場」「名古屋港クリスマス花火」など。
  • 音楽: ロッシーニ『ウィリアム・テル序曲』 / Ado『新時代』
  • 演出特徴:
    開幕から超高密度の速射と立体構成で空間全体を支配。赤・白・青の強い色彩が連続し、音楽と同調した交差・波状・縦横射が視界を完全に埋め尽くす。スタート数秒で観客を物語の中に引き込む完成度。

2.『進』
和火から虹へ、心が躍る100連発

アルプス煙火工業の年始挨拶ポスター。夜空に打ち上がる大輪の花火と、水面に広がる扇形の光。左に『本年も宜しくお願いします』、右に『語らない職人の技術がここにある』という文字が添えられている。 出典:アルプス煙火工業 公式サイト http://www.e-alps-hanabi.co.jp/
  • 煙火師:アルプス煙火工業(長野県安曇野市)
    1977年創業。世界最大級の水中花火(直径120cm超)を製造しギネス記録も保持。大規模演出に強く、花火大会の構成演出全体を手がける実務力に優れる。
    技術面では「垂直〜水平への展開」「動きのある構成」を得意とし、カラフルな中間色を鮮明に出せる火薬処方が強み。信州・えびす講花火やSBC夏祭り花火などでも活躍。
  • 音楽: Mrs.GREEN APPLE『ケセラセラ』 / YOASOBI『あの夢をなぞって』
  • 演出特徴:
    序盤は橙・金の淡い光が和の趣を演出。そこから中盤でテンポが加速し、水色・ピンク・レモンイエローの中間色が軽やかに展開。100連発の終盤では、空全体に広がる虹のような光の帯が絶え間なく打ち出され、軽快で前向きな感情を可視化する。

3.『信』
時差式で生まれる、立体的な世界

灯屋煙火店の公式サイトトップページ。夕暮れの湖畔で打ち上げられる大輪の花火と、観覧客が並ぶ岸辺の風景が表示されている。 出典:灯屋煙火店公式サイト https://akariya-fireworks.com/
  • 煙火師:灯屋煙火店(群馬県前橋市)
    関東屈指の実力派。伝統技術を軸にしながらも、国際大会(例:バンクーバー Honda Celebration of Light)にも参加し、構成力と芸術性で評価されている。
    特に「時間差を活かした多層演出」や「奥行きを感じさせる斜め打ち」に強みを持ち、空間構成にドラマを持たせる演出に定評あり。全国花火競技大会でも創造花火部門で高評価。
  • 音楽: 椎名林檎『長く短い祭』 / Coldplay『Viva La Vida』
  • 演出特徴:
    降下型・螺旋型・斜め打ちを多層的に組み合わせ、まるで視界が波打つような立体感を演出。時間差で火花が開く設計により、空の奥行きを視覚的に拡張する。静と動、和と洋の緩急が、音楽に乗って鮮やかに展開。

4.『心』
情緒を映す、優美なカラーパレット

信州煙火工業の公式サイトトップページ。色とりどりの大輪の花火が打ち上がる背景に、縦書きで社名が中央に配置されている。 出典:信州煙火工業株式会社 公式サイト https://www.shinsyu-enka.jp/
  • 煙火師:信州煙火工業(長野県千曲市)
    大正5年創業。「藤原式スターマイン」開発者を擁し、全国屈指の技術と色彩力を誇る名門。世界初の「レインボーマイン」など、色の分離や階調美に優れた花火で知られる。
    柔らかく繊細な演出や、静かな情緒を花火で描く表現を得意とし、「長野えびす講花火大会」などで代表的な構成を多数手がける。
  • 音楽: Official髭男dism『Same Blue』 / King Gnu『ねっこ』
  • 演出特徴:
    花弁状に広がる光、間を活かした静かな点滅、紫や銀といった落ち着いた色彩のグラデーションが連続。1発ごとの“間”が余韻を生み、音の静けさと呼応して情感を深く揺さぶる。まさに“内面を描く”ような花火演出。

5.『真』
圧巻のグランドフィナーレ

有限会社伊那火工堀内煙火店の公式サイト。漆黒の背景に、2024年赤川花火大会のオープニング演出の一部として、紫がかった小さな点状の花火が並び、中央には縦書きのテキストが配置されている。 出典:有限会社伊那火工堀内煙火店 公式サイト https://hanabi-inakako.com/
  • 煙火師:伊那火工堀内煙火店(長野県伊那市)
    明治32年創業。大型玉・大規模スターマインのエキスパート。二尺玉・三尺玉・水中尺玉などに定評があり、全国花火競技大会でも高評価。
    音・光・振動を一体化させる迫力演出が持ち味で、「長岡花火」「片貝花火」などでも中心を担う。演出では「空と地の一体化」や「立体包囲演出」が特徴。
  • 音楽: Superfly『愛をこめて花束を』 / エルガー『威風堂々』
  • 演出特徴:
    開始から二尺玉で一気に引き込み、地上~上空を連動させた3D演出へと展開。終盤は500m超のワイドスターマイン、水中花火の放射、息をもつかせぬ連発で視界も感覚も完全に包囲。圧倒的な総合演出で、会場の時間を止める。

3部構成で描く“光と音のドラマ”
花火演出の魅力を徹底解説

1|開幕から衝撃!“ウィリアム・テル序曲”に乗せたフルスロットルのスターマイン

無数の金色花火が夜空を埋め尽くし、下部には扇状に広がる炎のような演出花火が水面を照らしている様子。まるで舞台のカーテンコールのような壮大なスターマイン演出。
スターマインの画像
出典:https://hanabi.walkerplus.com/topics/article/150527/

2025年の淀川花火大会は、開始直後から会場全体が震えるような圧巻のスターマインで幕を開けます。
使用されたのは、ロッシーニ作曲『ウィリアム・テル序曲』。クラシックの名曲が持つ高揚感と緊張感に合わせて、花火が前半から怒涛のスピードで炸裂。水平に並んだ点火ポイントから、色とりどりの花火が一斉に立ち上がり、音楽のリズムと完璧にシンクロして夜空を一気に染め上げます。

特に、ラストのトリル部分で展開される黄金の柳や光のシャワーは、まさに“花火×音楽”の究極融合。観客の鼓動にリンクするようなスピード感と迫力で、開幕数分で心を鷲掴みにする見逃せないシーンです。

※スターマインとは、短時間に複数の花火を連続して打ち上げる演出形式のこと。音楽と組み合わせることで、リズムや感情の流れを視覚的に表現できるのが特徴です。


2|Adoの『新時代』とともに、“希望”が夜空に浮かび上がる

中盤に差しかかったタイミングで登場するのが、Adoの『新時代』に合わせたストーリー性のある演出。
疾走感のあるイントロとともに、真紅の閃光とブルーのレーザーが空間を切り裂くように走り、未来感あふれる演出がスタートします。リズムに合わせて、色彩豊かな花火が立体的に交差し、重なり、跳ねる。この演出では、観客の頭上で花火が“描く”ように展開され、音と光のシンクロ率が極限まで高められています。

特に注目すべきはサビ直前の「音を立てずに…」のパート。音楽が一瞬沈黙したのと同時に、一呼吸おいてから炸裂する一発の光。まさに“演出としての間”が活かされた芸術的な瞬間で、会場からはため息が漏れるほどの完成度。音楽の歌詞世界と花火が見事にリンクした、感情を揺さぶる名シーンです。


3|大フィナーレは圧巻の“虹彩万華鏡”〜都市の夜空が極彩色のドームに

エンディングに登場するのは、花火全体のテーマを総括するような壮大なフィナーレ演出。
大阪の都心部を背景に、赤・青・緑・紫・金銀といった無数の色彩が、連続的かつ立体的に炸裂。水面反射も美しく、視界すべてを包み込むような圧倒的スケール感があります。

注目は、ワイドに展開される“ボール型”の花火と、天空を覆うような黄金のしだれ柳。その下に、パステルカラーの閃光が重なり、夜空がまるで回転する万華鏡のように輝きます。音楽と同時に、視界の奥行きまで計算された立体演出が加わり、まるで会場全体がひとつの巨大なドームシアターになったかのような錯覚に陥ります。

最後の一斉爆発と、夜空に残る淡い煙のグラデーションまでが「演出の一部」と感じさせるほど、全体設計の完成度が高いエンディングでした。

※「虹彩万華鏡(こうさいまんげきょう)」とは、色彩の変化と立体的な広がりをテーマにした芸術性の高い花火作品で、まるで夜空に万華鏡を映し出したような幻想的な演出が特徴です。鮮やかな色のグラデーションと繊細な点火タイミングにより、視覚の奥行きまで感じられる構成になっています。


まとめ
秋の夜空を彩る“花火劇”を見逃すな

2025年のなにわ淀川花火大会は、単なる打ち上げの連続ではなく、音楽・光・空間すべてが緻密に構成された“物語”でした。クラシックの序曲に始まり、現代J-POPと融合した演出、そして圧巻のフィナーレへ——一瞬一瞬が計算されたシーンであり、観る者の心を深く揺さぶります。

煙火師たちの技術と美意識が結集したこの一夜限りの花火劇場は、まさに都市の空に咲くアート。
秋風を感じる河川敷で、目の前に広がる壮大なドラマを、ぜひ体感してください。


公式サイトのご案内

なにわ淀川花火大会の最新情報や観覧席チケットの購入方法、交通規制、注意事項などは、公式サイトにて詳しく案内されています。
打ち上げプログラムやアクセス方法、当日のスケジュールなどを事前に確認して、安心・安全に楽しめる準備を整えておきましょう。

なにわ淀川花火大会公式サイトのトップ画像。夜空いっぱいに打ち上がる緑と青の大輪花火の中に、大会ロゴが右上に配置されている。 公式サイトはこちら 画像情報:なにわ淀川花火大会公式サイトのスクリーンショット。中央には華やかな花火と大会ロゴが映る。 出典:https://www.yodohanabi.com/

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